音楽に愛をこめて

音ゲーに関する話や日常で感じたことで、140字で収まらなかった思いをつらつら書いています。

執着心、ついに実る(アルバム新譜感想)

過去記事で、
さすがに、令和の時代になって「BlackYooh vs. siromaru」の文字を見るなんて予想出来っこなくて、私の情緒は死んだ。
と書いたんだけど、令和の時代になってこの文字列見るの何と3回目なんですよね。
人生何があるかわかりません。

irohaxxx202.hatenablog.com

 

でも、語弊を恐れずに言えば最初2回はあまりいい意味での情緒の死に方では無かったんですよ。あの記事も書いたんですけど、私はやっぱりBEMANI機種に三人の曲が欲しかったので。というよりも、依頼が来たから作ったのではなく「自らの意思でやりたくて作った」ものが本当は欲しかった。
そして、何と、今回はそのキモオタクの願いが叶ったわけです。
KERBEROX、ORTHROXと来て、何と何とその続編ともなる「UROBOROX」の頒布ですよ。
M3当日にご本人たちから手に取って、狂ったように何度も聞いて、ようやく自分の言葉でここに残せそうな気がしたので、この感情を記録しておこうと思います。

 

わたし、前作2作もそうなんですけどしろまるさんのアルバムの構成とか曲順とかコンセプトとかそういうものがものすごく好きなんですよね。
例えばKERBEROXだったらお三方の白サイドと黒サイドの曲がこう交互に来て最後にブラホワロングで締める。黒か白か、って最後に問いかけてくる感じと、初めて三人で作られたアルバムの最後に、初めて三人で合作した曲のロングを持ってくるという美しさ。
ORTHROXは、ブラホワのLSMリミとかゲストコンポーザーが初期のSDVXメンバーだったりしてそういうところにやっぱり三人の原点ってSDVXなんだよなってしみじみしてしまう感じがわたしはとても好きでした。

さて、本題ですけれど「UROBOROX」もやっぱりこの構成がすごく良かった。
オタク、覚悟しとけよといういい意味の圧を勝手に感じてしまったし実際それにやられてしまった。
一発目に三人合作の新曲で改めて「やっぱこの三人って最強じゃん」って実感した後に三人のソロの新曲。各々の個性は出つつも当時の曲調とはみんなちょっと違う感じ。

BlackYさんの「ANASTASiA」、初期は比較的ハードコア系というか音ゲーコアっていうのかな、そういうボスっぽい速い系の曲を作られていたイメージなんだけどこれはもう少し柔らかで、でも強さもありながらすごくキラキラした曲だった。彼の曲の良いなあって思うところは、繊細なんですよね、音が。あ、私は音楽の素人なのでそういう印象を受けるというだけです。
この曲のキラキラ、っていうのも星が輝くというよりは、綺麗な湖に朝日が反射してきらきら輝いているようなイメージ。この強さと柔らかさの共存具合がぶらっきーくんらしくて私はとても好きです。

Yoohさんの「Mouth」、どうしてもDシリーズのイメージが強くて彼にしか出せないあの切迫感というのを私は死ぬほど言ってるんですけど、最近よく作られるクラブミュージックも私はすごく好きなんですよ。この曲もBPMはそこまで速くないし音の数もそんな多くないだろうけど音の厚みっていうんですかね。そういうのがものすごく気持ちいい。彼の曲って本当にじわじわ内面に沁み込んでくる、侵食されていく感覚があって、それがマジで良いんですよ。直接的にどん!ってくるんじゃなくてじわじわ入ってくる感じ。気付いたら沼。私はゆーくんの沼から抜け出せていません。

siromaruさんの「Raindrops」、やっぱりしろまるさんといえばシュランツってイメージなんですけどドラムンベースも彼特有のベース音の重さが残ってて聞いていてとても心地良いんですよね。何ていうか確かにベース音強いんですよ。いかついというか分厚いというか。でも、それが凶暴さのあるような強さじゃなくてすべてを受け止められるような系統の強さな感じがして、余計に聞いていて気持ちいい。粒のような音が直接体に響く感覚もあってそれもとても良かった。かっこいい。

 

まあソロ曲はもちろんかっこいいんですけど、そのあとの構成がやっぱりずるい。
この後にあの「Infinite Strife,」が来るんですよ。こういう3人の魅力を合わせたらこういう曲作れるよ!みたいなそういう提示。
この曲は私が「音ゲーに入るならこういう曲が良い」と思っていたイメージそのもので、しろまるさんの強いキックとベース、ゆーくんのTHEボス曲のようならしいメロディ、ぶらっきーくんの綺麗なピアノ。
どうしてもブラホワに狂わされたオタクなので、こういう曲をずっと求めていた節があり。何度聞いてもやっぱり三人の相性って最高なんだよなあと思ってしまう。

アルバムタイトルにもなってる「UROBOROX」は必ずしも音ゲーに寄せた感じじゃないんだけど3人の個性がぶつかりあって出来上がった最強の1曲っていう感じがあった。私はそういう曲が好きなので本当にありがとうございます、って感じだしそうぶつけあっているのにうまい具合に混ざり合って調和しているのは本当にすごい。
そういうのを出した後で「でも音ゲーのボス曲も作れるんだよね~」みたいな感じで「Infinite Strife,」が来るから余計に刺さるわけです。

 

んで、個人的にはこの後が反則級の並びなんですけど、急に二人ごとの合作曲が並ぶんですよ。え??無理じゃん??一人ずつだとこんな曲になるけど、二人で作るとこんな感じになるよみたいな提示が来るわけですよ。

BlackY VS Yoohの「Zera」はまあオタク軽率に死ぬよね。
だって前記事にも書いたけど私はもう「BlackY VS Yooh」この文字列を見ることは一生無いって諦めてたんだもん。でもまた見ることが出来た。本当に全世界に感謝してる。本当にありがとう。ガチで生きててよかった。
私はBlackY VS YoohとXROSS INFECTIONで育ったオタクなのでまあそういうのをイメージしてたんですよ。私この二人の合作が一番バチバチに戦ってる感じがあって好きだったんです。
クロインだってもう俺はこんな音を!俺はこんなメロ!みたいなのがぶつかりまくって、それであんなかっこいい曲が出来上がったと思っているので。如実にどこがどっちってわかる感じが本当に合作って感じで好きだったんですよね。
でもクロインからもう10年くらい経ってると思うんだけどひっくり返っちゃったよ。
どこをどっちが作ったってわからないくらいシンクロしてるの。本当に。良すぎて泣いたよ。でもね、間違いなく二人で作ったっていうのはわかるんだよ。きらきらしたピアノの音とか、体に沁み込んでくるリズムや音やメロディ。どう聞いてもぶらっきーくんとゆーくんの曲なの。でも二人の良さとか持ち味が本当にシンクロして一つの音楽になっててオタクは号泣です。
そもそもマクバとDynastyきっかけで二人が合作したあの時から、なかなかお二人の合作が少なくなり、時を経て改めて出てきたこのBlackY VS Yooh名義の曲があの時とはある種真逆の曲だったということは、お二人のまた新たな一面を見られた嬉しさもあるし今後に期待してしまうし、この時の流れを経てからこの曲が出てきたという現実、最強にエモいなと思いました。

Yooh Vs. SiromaruのOracleはもう聞く前から神曲が確定していたのですが聞いたら神でした本当にありがとうございます。
お二人の合作曲の「Red Heart」が私めっちゃ好きでこれがマジで二人の良いとこだけ詰め合わせました!!って曲だったんで新曲もそうだろと思っていたら本当にそうでした。私の中ではゆーくんとしろまるさんって作られる曲の系統が割と似通っていると思っているので、その相乗効果が半端ないというか。荘厳さも増しているし強さも増している。でもこのお二人のすごいところって、強さも増してるはずなのに聞いてて攻撃性をあまり感じないんですよね。んでどこか切迫感もあってやっぱり気持ちよさを感じてしまう。心地良いというのだろうか。こう世界観にどっぷり浸かれる感じ。
私はお二人の作る音ゲー向きの曲もそうじゃない曲もどっちも好きです。どっちにしても二人の味がめちゃくちゃ出てるので。これもそうでした。

BlackY Vs. Siromaruの「Halberd」はこれもうだめですよ。やばい。語彙力ゼロ。
私よく語彙力なさ過ぎてやば曲に出会うと「気狂う」って言うんですけど気狂いたい人はこの曲聞いてほしい。
冷静にどういうことなんだろって考えたときになんか曲聞いてて脳から快楽物質みたいなのがどばどば出てる感覚がする時があるんですよ。特定の曲聞いたときに。気狂いそうになるくらい気持ちいい曲って感じ。
ぶらっきーくんの強さと繊細さが合わさった荒ぶるピアノメロディと、それをしっかり支えるしろまるさんの強いベース音。マジで相性が良すぎて頭おかしくなりそう。
しろまるさんのベースとか音って本当に変幻自在って感じでゆーくんみたいな強い音楽にも合うしぶらっきーくんみたいな繊細な音楽にもぴったり合って相手の良さを全部引き出して受け止めてくれるイメージで。
んでこの美しいんだけど強さもあるぶらっきーくんのピアノが本当にマッチしている。
久しぶりに気狂い楽曲に出会えて嬉しいです。

 

二人ずつの楽曲が全部良すぎて泣いた。どうしよう。良すぎた。
んで一番の大トリはそれこそ私が冒頭に書いた情緒破壊された「令和最初のBlackYooh vs. siromaru名義」で発表された「GIGANTøMAKHIA」のロングバージョン。
これがBEMANI機種に収録されてたら私は気絶してたので良かったと思うことにしよう。最後の最後で「やっぱりこの三人の合作って最強だし最高だな」って思わせるこの曲順。本当になんか生きててよかった。すごく幸せを感じてしまった。

クロインがあったから、ブラホワが生まれた(んだと思ってる)し、ブラホワ作る時もガチガチのボス曲のベースを作って二人に投げたしろまるさん、こんなの手加えられないよって思ったゆーくんと普通にピアノメロ入れたぶらっきーくん、それ受けてブラホワといえば!なメロを入れたゆーくん。
いろんな奇跡が重なって生まれたあの楽曲に私の音ゲー人生を変えられたといっても過言ではないんです。あれがなかったらとっくに音ゲーやめてる。
長い時が経ち、昔と同じようにはいかない中で、それでもこうやって三人のアルバムが出たことが私は本当に何よりも嬉しいしガチで泣いてしまうくらい喜んだ。
ゆーくんの音楽活動縮小を聞いてもう本当に私の音ゲー人生も、コンポーザーのオタクするのも終わりだなって思ったし、その一方でゆっくり休んでほしいって思ったのも事実で。(当日直接見られたんだけど、お元気そうでとても安心した。相変わらずかっこよかったし声が素敵だった)
でも、この三人の縁はずっと続いていて、半年間かけて作り上げてくれたという現実を受けて、最近本当にいいことがなくて凹んでいたんだけど結構ガチで人生捨てたもんじゃないなって思えた。

 

siromaruさん、BlackYさん、Yoohさん。本当にいつも素敵な曲をありがとうございます。音楽を作ってくれて本当にありがとう。